National Institute of Standards and Technologyの研究グループが、インクジェット印刷を用いた定量サンプルを用いたナノカロリメトリーを開発しました。
この研究成果は、Thermochimica Acta (2020): 178510に掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Yi, Feng, et al. "Nanocalorimetry of Explosives Prepared by Inkjet Printing." Thermochimica Acta (2020): 178510.
ナノカロリメトリーは、特にナノグラム質量スケールの小さなサンプルの場合、高感度の熱および熱力学的測定において迅速で任意の加熱プロファイルを生成できます。
これらの機能により、ナノカロリメトリーは、微量残留物中の物質スクリーニングに使用される多くの分析手法の中でフロントエンドプロセスにあたる熱脱着中のナノグラム量の爆発物の挙動を把握するための基礎研究に役立つツールとなります。
同研究グループは、インクジェット印刷を使用して、ナノグラム量の爆発物をナノ熱量計の活性領域に再現可能に堆積させ、重量キャリブレーションに基づいて、シクロトリメチレントリニトラミン(RDX)、四硝酸ペンタエリスリトール(PETN)、トリニトロトルエン(TNT)および塩素酸カリウム(PC)といったサンプル質量の推定を可能にしました。
得られた一般的な爆発物のナノ熱量測定の結果は、本手法の測定能力を実証しています。
ナノ熱量測定を使用して、α-RDXと準安定β-RDX相の両方を、RDXの競合的な蒸発と分解とともに観察しました。
最後に、ナノカロリメトリー結合質量分析法により、微量の爆発物の分析中に熱脱着イベントを特徴付けることが実証されました。
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