South China University of Technologyの研究グループが、マランゴニ対流による空気膜を利用し、ピエゾインクジェット法による2.38μmの超短チャネルが作製可能であると発表しています。
この研究成果は、Soft Matter で発表されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Tao, Ruiqiang, et al. "Capillary force Induced Air Film for Self-aligned Short Channel Pushing the Limits of Inkjet Printing." Soft Matter (2018).
電極の超短チャネルは、高度な集積度と高い動作速度を備えた高度な機能デバイスの構築に不可欠です。
インクジェット法は、大気環境下で印刷でき、かつマスクレスで印刷できる技術として注目を集めている技術です。しかし、インクジェット液滴サイズの限界から作製できる電極のチャネル長は最小20μm程度であると知られています。
ピエゾインクジェット法を用いて短いチャネルを得るために、以前から多くの方法が提案されていますが、撥液・親液パターニングなど追加の処理が必要でした。
このような課題に対し、同グループは、インクジェット法による間隙欠陥成長法を用いることで、未処理の基板上に直接パターニングされた電極において、チャネル自己整合現象が見出されたことを報告しています。
さらに根底にある機構を探ることにより、外向きのマランゴニ対流によって誘起された空気膜が、同じ基板上の隣接する液滴の合体を防止していることを明らかにしました。
同グループは、このメカニズムを用いることで、2.38μmの超短チャネルを得ることに成功しました。
今回見いだされたマランゴニ対流による空気膜によって短チャネルを作製する方法は、今まで困難であったインクジェット印刷技術における高解像度のアプリケーションを実現する可能性があると考えられるとのことです。
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