University of Cambridgeの研究グループが、エアロゾルジェット法を用いて伸縮性があり歪センサーとしても機能する自律型の導線を開発しました。
この研究成果は、Advanced Materials Technologiesに掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Jing, Qingshen, et al. "Freestanding Functional Structures by Aerosol‐Jet Printing for Stretchable Electronics and Sensing Applications." Advanced Materials Technologies (2019): 1900048.
電子機器がますます人間に不可欠になるにつれて、現代の電子機器は剛性から柔軟性、さらには伸縮性を有する方向に進化しました。
ウェアラブルデバイス、表皮センサー、およびヒューマノイドロボット技術の需要の高まりから生じる課題に対応するために、伸縮性電池、伸縮性コンデンサ、コンフォーマルアクチュエータ、表皮センサーに代表される伸縮性エレクトロニクスの開発が進められています。
伸縮性という要望に対し、バルク金属は限られたひずみにしか耐えられません。そのため、伸縮性電極を製造する対策は主に伸縮性導電性材料を使う方法と伸縮性構造設計をもって対応する方法、またはこれら2つの組み合わせによる方法によって対応されています。
特に近年用いられているアプローチは、伸縮に耐えることができるエラストマー基板に構造を印刷または転写する方法です。しかし、関連する手順は複雑な場合が多く、構造自体は耐久性が低い傾向にあり、また、用いたエラストマー基板の機械的特性によって機能が制限されるという課題があります。
このような課題に対し、同グループは、完全に独立した機能構造をレイヤーごとに構築できる方法をエアロゾルジェット印刷技術を用いることで開発しました。開発したプロセスは、所望の機能を備えた異なる材料の層の組み合わせを、犠牲フィルムでコーティングされた基板上に印刷し、その後基板を溶解することで印刷構造を取り出します。
この方法を使用して作製した導線は、伸縮性がある電極として使用でき、歪みセンサーとしても機能することを明らかにしました。
この新しい開発方法によって作製される導線は多層多機能伸縮デバイスおよびセンサーの開発を進めることが期待されるとのことです。
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