Optomec社の研究グループが エアロゾルジェット技術を用いた抵抗器を紹介しています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Feng, James Q., Anthony Loveland, and Michael J. Renn. "Aerosol Jet Direct Writing Polymer-Thick-Film Resistors for Printed Electronics." (2020).
現在、電子設計者は、さまざまなアプリケーションに対して、小型化と機能性の向上という2つの困難な要求に直面しています。
これら一見対立する要件を満たすために、埋め込み抵抗器などの受動部品を回路に直接印刷することでPCB設計における実装部品の数、つまりはんだ接合の数を減らすことは魅力的なアプローチになります。
また、このアプローチは、「平均故障間隔」(MTBF)などの信頼性を潜在的に向上させる一方で、回路基板のサイズを縮小します。
このような目的のもと用いられているプリンテッドエレクトロニクス技術の中で近年注目を集めている技術がエアロゾルジェット技術です。
エアロゾルジェット技術は、非接触の精密材料堆積のための独自の機能により、複雑な形状の柔軟な基板上に高機能電子機器をコンフォーマルに積層製造することを可能にしました。
基板とプリントヘッド間のCAD / CAM制御の相対運動により、所定のインク体積堆積速度で堆積材料のパターンとパイルの高さを簡単に調整できます。
これまでのプリンテッドエレクトロニクス業界では、埋め込まれたポリマー厚膜(PTF)抵抗器の加算印刷は、主にカーボンベースのペーストインクを使用したスクリーン印刷で行われてきました。
このような背景に対し、同グループはAerosolJet®技術を用いてPTF抵抗器を作製しました。
作製したPTF抵抗器はフットプリントラインが通常0.3 mm未満であり、約1 mm離れたコンタクトパッド間において抵抗値が〜50 Wから> 1 kWの範囲にあります。またスタック層の数(印刷パス数)によって抵抗値が調整可能です。
原則として、1〜5ミクロンの微細な液滴に霧化できるインク材料は、AerosolJet®システムで印刷できます。
ただし、ラインエッジの清浄度などの印刷品質は、溶媒の揮発性、固体の負荷などを含むインクのレオロジーによって大きく影響を受ける可能性があります。
アトマイズ可能なカーボンインクは、200℃未満の温度で硬化可能であり、適度な揮発性の適合溶剤でスクリーン印刷ペーストを希釈することで作製されました。
AerosolJet®で印刷された重なり合う線は、線幅を大幅に増やすことなく大きなパイル高さに積み重ねることができることを示しています。
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