Russian Academy of Sciencesの研究グループが、スプレーによって発生した液滴の乾燥過程を理論計算しました。
この研究成果は、Applied Thermal Engineeringに掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Misyura, S. Y. "Convection in a droplet blown by gas flow." Applied Thermal Engineering (2019): 114536.
本研究では、スプレーで生成された浮遊液滴と付着液滴の乾燥過程を理論により調査しています。
スプレー状に生成された液滴の蒸発は、ガス流における蒸発と壁に付着した後の蒸発の2段階に分けることができます。
通常、熱伝達と蒸発の計算では、液体の対流は無視され、計算に大きな誤差が生じる可能性があります。
そのため、モデル式には対流を考慮する必要があります。
いくつかの重要な要因の比率:強制ガス流の速度、壁境界層の厚さ、熱重力対流、および熱および濃度要因の影響を考慮しました。
その結果、付着液滴における対流速度が、付着していない液滴の場合よりも30〜40%遅いことが示されています。これは、壁の摩擦が影響しているとのことです。
また付着滴の場合、対流における溶質マランゴニ流の効果は、浮遊滴よりもはるかに大きいことがわかりました。
今回の研究により得られた結果と関係性は、スプレー内の液滴の蒸発における対流の役割を評価するためだけでなく、高温の壁に付着した液滴の挙動を把握する上でも重要です。
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