マンチェスター大学の研究グループが、インクジェット印刷可能な水ベースの生体適合性2Dクリスタルインク開発しました。
この研究成果は、 Nature nanotechnology (2017/1)で発表されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
McManus, Daryl, et al. "Water-based and biocompatible 2D crystal inks for all-inkjet-printed heterostructures." Nature nanotechnology 12.4 (2017): 343.
https://www.nature.com/articles/nnano.2016.281
大学のプレスリリース:
http://www.manchester.ac.uk/discover/news/water-based-and-biocompatible-2d-inks-for-printed-electronics/
マンチェスター大学の研究者は、水晶やインクジェット印刷可能な2D材料インクを製造する方法を開発しました。
このインクを用いることで、ヘテロ構造を持つ2D結晶を現実の製品に応用することが期待できます。
例としては、効率的な光検出器、およびバイナリ形式で符号化された情報を格納できるデバイスが挙げられるとのことです。
最も代表的な2D素材はグラフェンです。
グラフェンは世界初の2D素材で、鉄鋼、軽量、柔軟性、さらに導電性の銅より200倍強力という特徴があります。
2004年のグラフェンの分離以来、多くの2D材料が研究されています。
既に多くの2D材料がインクとして提供されていますが、ヘテロ構造の作製を可能にする現在のインク配合物は、有毒な溶媒を含むか、または時間がかかりかつ高価なプロセスを必要とします。
さらに、これらのどのインクもヘテロ構造製造のためには最適化されていません。
これらの課題に対し、同チームは水性インクとインクジェット印刷可能な2D材料インクの製造方法を開発しました。
また、今回開発されたインクは生体適合性があるため、インクの用途が生物医学的用途にまで拡大するとのことです。

研究では、プラスチックや紙のフォトセンサの大面積アレイやプログラマブルロジックメモリデバイスなどの、すべてのインクジェット印刷されたヘテロ構造の例を示しています。
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