King Abdullah University of Science and Technology (KAUST)の研究グループが、インクジェット印刷によってヒドラジンを検出可能な紙センサーを開発しました。
この研究成果は、Sensors and Actuators B: Chemicalに掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Bedük, Tutku, et al. "A paper-based inkjet-printed PEDOT: PSS/ZnO sol-gel hydrazine sensor." Sensors and Actuators B: Chemical (2019): 127539.
ヒドラジンは、発泡剤、医薬品、および殺虫剤の前駆体として業界で広く使用されていますが、非常に有毒な化合物です。
そのため、ヒドラジン暴露の検出と制御のための新しい分析方法を開発することは重要なテーマです。
このような背景から、同研究グループは、酸化亜鉛(ZnO)で機能化されNafionでカプセル化されたポリ3,4-エチレンジオキシチオフェン:ポリチレンスルホネート(PEDOT:PSS)電極で構成されるインクジェット印刷された低濃度ヒドラジンを測定可能な紙センサーを開発しました。
インクジェット印刷されたPEDOT:PSS / NafionおよびPEDOT:PSS / ZnO / Nafionセンサーの電気化学的特性は、異なる濃度のヒドラジンによって比較されました。
これらの電極の安定性と感度は、ZnO粒子で修飾すると大幅に向上することも確認されました。
検証の結果、印刷されたセンサーは、10〜500 µMのヒドラジン濃度範囲で線形応答を示し、〜5 µMの検出限界(at S / N = 3)を示しました。
本センサーにおける電気化学的感度は0.14µµA・µM-1µcm-2で、最適な動作電圧は0.5µVです。
開発したセンサーの精度を検証するため、水道水、海水、ミネラルウォーターサンプルのヒドラジン含有量の測定を行い、センサーが機能することを実証しました。
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