Karlsruhe Institute of Technology (KIT)の研究グループが、酸化インジウムチャネルにクロムをドープすることにより印刷した電解質ゲート電界効果トランジスタ(EGFET)の閾値電圧を制御可能にしました。
この研究成果は、ACS Omegaに掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Neuper, Felix, et al. "Tailoring Threshold Voltages of Printed Electrolyte-Gated Field-Effect Transistors by Chromium Doping of Indium Oxide Channels." ACS Omega (2019).
「IOT」のさまざまなアプリケーションで利用されるため、印刷デバイスへの関心が高まっており、この分野の研究努力は過去10年間で急速に成長しています。
印刷された無線周波数識別(RFID)アンテナ、印刷された有機発光ダイオード、印刷されたディスプレイ、または印刷された太陽電池などのいくつかのコンポーネントは、すでに長年にわたってすでに使用されているか、アナログな製造手法に取って代わろうとしています。
一方で、印刷された電界効果トランジスタ(FET)およびそれから派生したロジックは、まだ業界で採用できるほど十分に開発されていません。
この理由の1つは、製造中のしきい値電圧の制御の欠如です。
このような背景から同研究グループは、酸化インジウム半導体チャネルにクロムをドーピングすることにより、印刷電解質ゲートFET(EGFET)のしきい値電圧(Vth)を高精度で調整する方法を開発しました。
前駆体インクの調製中に湿式化学プロセスによって達成された高いドーピング濃度にもかかわらず、開発したインクを印刷して作製したトランジスタにおいて5桁を超える優れたオン/オフ比を実証することができました。
本研究で用いられた合成プロセスはシンプルで、安価で、簡単に拡張可能であり、ディプリーションモードEGFETsにつながります。
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