Pohang University of Science and Technologyの研究グループが線維芽細胞の2Dパターン化によって自己組織化3Dコラーゲン微細構造を作製しました。
本研究成果は、Advanced Biosystems (2020): 190028に掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Park, Ju An, et al. "Self‐Organization of Fibroblast‐Laden 3D Collagen Microstructures from Inkjet‐Printed Cell Patterns." Advanced Biosystems (2020): 1900280.
複雑な組織をインビトロで取り扱う場合における主な課題の1つは、ミクロンスケールの複雑さをもった3D造形物を作ることです。
同研究グループは、線維芽細胞の2Dマイクロパターン化によって自己組織化3Dコラーゲン微細構造を作製する方法を提示しました。
ドロップオンデマンドインクジェット印刷を使用して、コラーゲン基板上に線維芽細胞を事前に設計されたパターンで制御された密度でパターン化します。
本研究により、細胞とECMの相互作用は、コラーゲンヒドロゲル上の3D微細構造の細胞の自己組織化を促進しますが、3D微細構造の形成は、アクチン重合の破壊によって阻害されることがわかりました。
この現象を使用して、細胞パターンの設計と細胞の密度を操作することによって3Dコラーゲン微細構造を制御できることを示しました。
そして、この手法を適用して、真皮表皮接合部に乳頭状微細構造を持つヒト皮膚モデルを構築しています。
細胞のパターン化によって3D細胞を含むコラーゲンの微細構造を作成するこのアプローチは、複雑な組織や臓器の構造と機能を模倣するシンプルで強力な方法であり、人体と体外組織モデル間のギャップを減らすことに貢献できると期待されます。
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