Dalian University of Technologyのグループが、薄膜への液滴衝突における影響のモデル化を行いました。
この研究成果は、European Journal of Mechanics-B/Fluidsで発表されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Liang, Gangtao, et al. "Successive impact of multiple droplets on liquid film." European Journal of Mechanics-B/Fluids (2018).
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0997754618303790
本グループは、ガウス分布を有するランダムな外乱を導入した3次元モデルを用いて、薄い液膜に連続して衝突する複数の液滴の挙動を数値的に検討しました。
本研究において本グループが用いたモデルは、実験的観察、測定および分析結果とかなり良好に一致することを確認しています。その結果、比較的高い衝突運動量下での液滴飛散を予測するのに本モデル化は非常に有効な手法であると考えられます。
今回の研究で得られた結果は、複数の液滴の連続的な衝突が残留膜内部の半径方向の流れを拡大することで、後続の液滴が飛散しにくくさせることができることを示しているとのことです。
最初の液滴の衝突によって誘導されるミルククラウン(主クラウン)と、後続液滴によって誘導される副クラウンとの衝突は、気泡の混入した飛沫やクラウン形状の変形をもたらし、さらに渦と二次クラウンの崩壊によって形状が悪化します。
また、主クラウンの半径方向の膨張は、流体抵抗および半径方向の運動量によって決定されますが、その垂直方向の膨張は、注入される液体質量に依存し、クラウンの直径および高さは、ウェーバー数、厚さおよび液滴の間隔と関係があることを確認しました。
そして、滴下させる複数液滴の滴下間隔が衝突面積と最小残留膜厚にマイナスの効果を及ぼすことが分かったとのことです。
この研究は、固体膜の熱伝達を考慮することなく、複数の液滴の衝撃を予備的に理解するものです。
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