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銀配線におけるクラックの分析

最終更新: 2019年9月9日

クレムゾン大学のグループが、印刷した銀配線上で発生するクラックに対して発生過程の分析を行いました。この研究成果は、The Journal of The Minerals(2018)に掲載されています。


この記事は下記論文の紹介記事です。

論文:

Katsarelis, C., et al. "Crack Initiation of Printed Lines Predicted with Digital Image Correlation." JOM (2018): 1-6.

https://link.springer.com/article/10.1007/s11837-018-2969-y



処理時間の短さや処理コストの低さから、真空プロセスを必要とする蒸着工程に比べて金属インクを用いた印刷工程は多くの用途で使用されています。

一般的な金属ナノ粒子液の配線形成工程は、粒子液を基板に付着させた後に溶媒を揮発させ、その後粒子同士の融着のための加熱工程(焼結工程)が含まれます。

加熱によって得られた印刷金属フィルムの構造は、同じ基材上の真空蒸着フィルムと比較して、細孔および比較的高い表面粗さとなることが知られています。また作製された印刷金属膜は脆性材料として挙動することも知られています。

この脆性挙動は、細孔が応力集中を招き、クラックなどの亀裂の発生及び伝播に関連しているとのことです。


これらの課題に対し、どのような要因がクラック発生プロセスに影響するかについての観察を同グループは実施しました。



(a)ひずみ量と抵抗値の関係 (b)表面状態 (Springer Link HPより)

印刷されたAgライン内の亀裂の開始および伝播に対する観察手法としてデジタル画像相関DICを、表面状態の観察としてレーザー強度画像を提供する共焦点レーザー走査顕微鏡 CLSM技術を用いて収集したとのことです。このCLSMレーザー画像とDICの組み合わせにより、印刷ラインの局所スケールでの亀裂開始をより完全に調べることが可能になったとのことです。


DICを用いたことで亀裂密度はより容易に評価が可能となり、今回の研究により膜の厚い領域で亀裂の増加が早く進むことが分かったとのことです。

逆にこの結果を活用することで、クラックが発生しにくい配線の作製が期待されると思われます。


#銀配線




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