ハーバード大学のグループが、音響泳動力を用いた新しい液滴制御技術の確立に成功しました。
この研究成果は、 Science Advancesで発表されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Foresti, Daniele, et al. "Acoustophoretic printing." Science Advances 4.8 (2018): eaat1659.
参考特許:
液滴を用いる印刷法は、生物学的マイクロアレイの作製から3次元造形まで非常に広範囲で活用されています。代表的な液滴制御技術であるピエゾ、サーマルインクジェット技術は、それぞれ粘度が低い材料にのみに適しており、使用できる液体に限りがあります。
インクジェット法は低粘度インクのパターニングに適している技術であるといえます。
この課題を克服するため、単一液滴を形成しパターニングするために音響泳動力を使う方法を著者たちは開発しました。
そもそも空気中の音響泳動力は弱く、印刷材料のためには未だ利用されていませんでした。
研究の中で、ニュートン流体を含む幅広い軟質材料のドロップオンデマンドパターニングを可能にする音響泳動印刷法を開発し、ニュートン流体における粘度が4桁の範囲(0.5〜25,000 mPa・s)においてパターン形成可能であることを実証しました。
音響泳動力を利用した液滴生成とパターニングのための新しい印刷プラットフォームを開発したと筆者らは主張しています。
筆者らのアプローチは、ボクセルごとに機能材料、構造材料、および生物材料のデジタル製作の新しい道を開くと期待できるとのことです。
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