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インクジェットによるマイクロナノ構造の作製

更新日:2019年9月13日

ドイツのキール大学のグループがBCMLとインクジェット印刷を組み合わせることでナノ粒子からなるマイクロメーターサイズの構造物の製造が可能であることを示しました。この研究結果は、Beilstein Journal of Nanotechnologyに発表されています。


この記事は下記論文の紹介記事です。

論文:

Neumann, Hendrikje R., and Christine Selhuber-Unkel. "High-throughput micro-nanostructuring by microdroplet inkjet printing." Beilstein Journal of Nanotechnology 9.1 (2018): 2372-2380.


ナノメーター間隔で指定されたパターンのナノ粒子からなるマイクロメーターサイズの構造物の製造は、ナノ光学からバイオセンサー技術および生体材料まで、多くの分野において非常に重要です。

金属ナノ粒子の準六方晶パターンを作製するための十分に確立された方法の一つが、ディップコーティングまたはスピンコーティングプロセスによる表面上の金属充填ミセルの自己組織化に依存するブロックコポリマーミセルナノリソグラフィ(BCML)です。

この方法を使用して、ナノ粒子の間隔は、ミセルのサイズおよびコーティング条件によって制御されます。BCMLは、ナノスケールで規則化されたナノ粒子パターンを生成するための高スループットの方法であるものの、これまでマイクロメートルスケールで構造を生成することは困難でした。



図1: (A)Fuji Dimatix DMP-2800印刷ヘッドの動作原理の略図。4mLの金充填ミセル溶液(BMCL)をカートリッジヘッドに接続されたカートリッジ貯蔵ユニットに貯蔵する。圧電駆動ノズルを介して、各ノズルの電圧および周波数によって形状が制御された液滴が生成される。(B)ユーザが定義した微小液滴パターンは、移動可能な印刷ヘッドを介して基板上に生成される。金含有ミセル溶液(o-キシレン中のBCML )の液滴がプラズマエッチングされ、金ナノ粒子による表面の装飾が完成する。

この課題に対し、同グループは、BCMLとインクジェット印刷とを組み合わせることにより、微細構造の金ナノ粒子をマイクロメーターオーダーのパターン形成を高スループットで達成できることを示しました。

インクジェット印刷を用いて表面上にミセル溶液の液滴を生成し、結果として、25〜42nmの間の粒子間隔を有する金ナノ粒子のパターンを含む印刷された円を得ることに成功しました。同グループは、この方法を異なるシリコンおよびニッケル - チタン表面上で試験し、生成されるパターンが材料の種類および表面形状に依存することを確認したとのことです。


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