Universidade Federal do Rio Grande do SulとLeibniz-Institut für Polymerforschung eVの研究グループが、3Dインクジェット法を用いたセラミック造形における最適なバインダーを調査しました。
この研究成果は、 Materials Research Expressに掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Muniz, Nathália Oderich, Fernanda Albrecht Vechietti, and Luis Alberto Loureiro dos Santos. "Influence of several binders on the mechanical properties of alumina parts manufactured by 3D inkjet printing." Materials Research Express (2019).
インクジェット印刷は、高速で再現性が高く、費用対効果の高い製造技術です。
3Dプリンターにおいても結合剤噴射法、材料噴射法においてインクジェット法は用いられています。
特に金属粉やセラミック粉に結合剤をインクジェット法によって噴射する結合剤噴射法は、生産性の高さから注目されています。粉体の接着に用いられる結合剤は、造形後の焼結工程において昇華します。しかし、完全に除去されず、造形物内の残ることで品質の低下を招くという課題があります。
このような課題に対し、同研究グループは、3Dインクジェット印刷で製造されたセラミックアルミナ(Al2O3)部品の機械的特性と多孔性に及ぼすさまざまなバインダー(ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、アラビアゴム)の影響を調査しました。
材料としてAl2O3粉末、バインダーとしてPVA、PVAc、およびアラビアゴム懸濁液を使用して、緑色の試験片を印刷しました。緑色のサンプルを1200〜1500℃で1時間焼結しました。
焼結サンプルの微細構造と多孔性は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって評価し、見かけの気孔率、見掛け密度と吸水率を測定し、圧縮挙動に対するバインダーの影響を調査しました。
その結果、最高の幾何学的フォーマットと機械的強度を持つ組成物は、ポリビニルアルコールとアラビアゴムを含むものであることを確認したとのことです。
これらの試験片は、見掛け密度の優れた値、最低の気孔率、約12μmの細孔径、および約25 MPaの圧縮強度を示しています。
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