Tianjin University of Technologyの研究グループが、赤外線焼結が可能な銀ナノ粒子の合成方法を発表しました。
この研究成果は、Journal of Materials Research and Technologyに掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Li, Wei, et al. "One-step synthesis of Ag nanoparticles for fabricating highly conductive patterns using infrared sintering." Journal of Materials Research and Technology (2019).
大量の作製が可能であり、環境にやさしい方法で金属ナノ粒子(NP)を合成できることは非常に重要です。
同研究グループは、混合還元剤としてアスコルビン酸(Vc)とグルコースを含むポリビニルピロリドン(PVP)溶液を用いて平均直径15.5±1.0 nmとなるAg NPを合成する手法を見出しました。
作製された銀ナノ粒子は、TEM、HR-TEMおよびXRD分析により、純度を確認しています。
また、Ag NPの表面上に形成された薄いVcとPVPの混合層によってAg NPの安定性が向上することを確認しました。
作製された銀ナノ粒子を用いてインク化を行い、印刷および低温焼結によって導電性パターンを確認しています。
15W×60秒未満の赤外線焼結によって、抵抗率がバルクAgの4.6倍となる7.4±0.5μΩcmに達する導電性パターンを作成しました。
本研究では、サンプルの紙ベースの電極、RFIDアンテナ、および学校のロゴが正常に印刷され、すべてが優れた柔軟性と導電性を示したとのことです。
今回開発された銀ナノ粒子を利用することで、印刷と焼結の両方のプロセスを1台のマシンに簡単に統合できると期待できるとのことです。
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