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SU-8を用いたインクジェットヘッド流路の作製

Dalian University of Technologyの研究グループが、フォトレジストであるSU-8を用いたノズルを含むインクジェットヘッド流路の作製方法を開発しました。

この研究成果は、Microsystem Technologiesに掲載されています。


この記事は下記論文の紹介記事です。

論文:

Wang, Xing, et al. "Fabricating chambers of inkjet printhead by bonding SU-8 nozzle plate with suitable crosslinked degree." Microsystem Technologies 25.9 (2019): 3329-3337.



インクジェット印刷技術は、従来の画像印刷から発展し、フレキシブル集積回路印刷、電気化学などに対し、独自の利点から現代の工業製造市場で不可欠な技術になりました


このインクジェット技術を実現しているインクジェットヘッドにおいて、各流路構造は重要です。

そのインクジェットヘッドの流路の代表的な製造方法は接着技術です。

ガラスまたはシリコンウェーハのウェットエッチングまたはドライエッチングによってマイクロチャネルとマイクロポアを作製し、マイクロ流路はシリコンとシリコンの接合またはシリコンとガラスの接合によって得られました。


しかし、この方法で製造されたマイクロデバイスは手順が複雑であるため高価であり、壊れやすい材料を使用しているため、製造プロセスを制御することは困難という課題があります。

この課題に対処するため、多くの学者は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネート(PC)などのプラスチック材料をシリコンとガラスの代替品として用いました。しかし、ガラス転移温度(Tg)が低く、熱膨張係数が大きいため、マイクロ流路の変形が生じるという課題を得ています。


これらの問題を解決するために、多くの研究者がSU-8ポリマーを代替品として使用することを報告しています。


同研究グループは、SU-8フォトレジストのノズルプレートを適切な架橋度で作製し、同じくSU-8で作製したマイクロチャンバーに接着することにより、インクジェットチャンバーを製造する新しい方法を開発しました。




研究の中で、ソフトベーク温度は、高い結合強度と低いチャンバー変形のために最適化されています。

SU-8フォトレジストの架橋度に対するノズルプレートの露光量とPEBパラメータの影響を体系的に調査しました。


最終的なインクジェットプリントヘッドでは、最適化された0.57 MPaの接合強度と4.35%のチャンバー変形率が得られました。この製造技術は、チャンバーの変形速度の低下と結合強度の増加が見られたため、現在のほとんどの処理方法と比較して代替しうる大きな可能性を秘めているとのことです。


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