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インクジェットエッチング法を用いた微細構造作製方法

South China University of Technologyの研究グループが、インクジェットエッチング法を用いた微細構造作製方法に関して調査しました。

この研究成果は、Nanomaterialsに掲載されています。


この記事は下記論文の紹介記事です。

論文:

Chen, Jianqiu, et al. "A Strategy toward Realizing Ultrashort Channels and Microstructures Array by Piezoelectric Inkjet Printing." Nanomaterials 9.11 (2019): 1515.


インクジェット印刷は、直接パターニング、費用対効果、環境に優しい、大量生産のメリットのため、過去数十年で薄膜電子デバイスの開発に利用されてきました。



通常、インクジェット印刷は、正確な位置に機能層を堆積するために使用されます。

インクジェット印刷技術の解像度は、通常、液滴サイズと液滴と基板間の相互作用によって決まるため、印刷可能な解像度は通常約30〜50 µmです。


上記制限に対し、注目を集めている手法がコーヒーリング硬化を利用した「インクジェットエッチング」と呼ばれる技術です。

「インクジェットエッチング」は、インクジェットプリンターから噴射される液滴が基材を局所的に溶解する手法です。

局所的に溶解した結果、コーヒーリング効果の影響で、接触線で溶解した基板の再堆積によって穴が形成されます。さらに、印刷されたインクが純粋な溶媒だけでなく溶質を含む場合、液滴の周辺に溶質が均一に堆積したリング状の穴を生成する可能性があります。

この「コーヒーリング」効果を利用した本来のインクジェットの細線の限界を超えるパターン形成方法は、ナノ/マイクロスケールのアプリケーションにおける新しいアプローチとして注目を集めています。


このような背景から、同研究グループは、未架橋のポリビニルプロパノール(PVP)を薄膜塗布した基板に銀インク(銀ナノ粒子、溶媒、安定剤、分散剤の混合物)を滴下した際のインクジェットエッチングの挙動に関して調査をしました。





本研究の結果、隣接する液滴は合体せずに、コーヒーリング効果によって液滴着滴位置の中心に穴があき、周辺部に溶質が残ったことを確認したとのことです。

隣接した液滴同士には接触しないギャップが存在し、このギャップは液滴端部における蒸発に起因した反発力に起因すると考えられるとのことです。


今回確認したインクジェットエッチングは、従来の直接圧電インクジェット印刷の限界を打ち破ることができる材料堆積の新しい方法をもたらすため、圧電インクジェット印刷技術の応用を生物学および技術分野に拡大すると期待されます。






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