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エアロゾルジェット印刷の理論モデルを開発

University of Marylandの研究グループが、エアロゾルジェット印刷物に付着するミストを考慮した新たな理論モデルを開発しました。

この研究成果は、Advanced Engineering Materialsに掲載されています。


この記事は下記論文の紹介記事です。

論文:

Chen, Guang, et al. "The Effect of Droplet Sizes on Overspray in Aerosol‐Jet Printing." Advanced Engineering Materials 20.8 (2018): 1701084.



微小液体を制御するインクジェット技術は様々な分野で応用が期待される技術です。インクジェット技術の中で、活用が進められている比較的新しい技術の一つがエアロゾルジェット印刷技術になります。

エアロゾルジェット印刷技術は、生成したミストをシースガスによって包括することで、微細な線の印刷や高ギャップ(ノズルと印刷対象物との距離)における印刷を可能にするなど魅力の多い技術です。


エアロゾルジェット印刷(AJP)の最も重要な懸念の1つは、印刷物付近に付着するオーバースプレー(OS)の存在です。

オーバースプレーがあるため、高品質が求められる印刷用途におけるAJP活用の課題になっています。


この課題に対し、本研究では、エアロゾルをノズルに送るキャリアガス流(CGF)の完全な3次元計算流体力学(CFD)モデルを開発しました。

そして、同グループはこのモデルを使用して、標準のAJPプロセスでOSを制御する基本的な流体力学の原理を、液滴サイズ分布とShGFレートの関数として特定下とのことです。


彼らのモデルによると、インクサイズ内のさまざまなサイズの単分散液滴の軌跡を考慮して、キャリア―ガス流とシースガス流(CGFおよびShGF)レート間の複雑な相互作用によってOSが決定される方法を解明しています。

また、彼らの理論モデルは、いくつかの実験結果を説明しているとのことです。

本研究により、

1)低ShGF率でOS領域に小さなサイズのドロップが豊富に発生する

2)ShGFレートの増加に従ってOS領域は一度減少し、更なるShGFレートの増加によって増加する

3)より大きなShGFレートでは、OS領域への小さな粒子の付着を抑制すること

を示しました。


同グループは、この分析により、AJPの動作パラメーターの最適化における重要な理解が得られ、印刷解像度の全体的な改善がもたらされると予想しています。



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