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ペロブスカイト太陽電池をインクジェット印刷し、高い変換効率を確認

Karlsruhe Institute of Technologyの研究グループが、ペロブスカイト太陽電池をインクジェット印刷し、高い変換効率を確認しました。

この研究成果は、Advanced Energy Materialsに掲載されています。


この記事は下記論文の紹介記事です。

論文:

Eggers, Helge, et al. "Inkjet‐Printed Micrometer‐Thick Perovskite Solar Cells with Large Columnar Grains." Advanced Energy Materials (2019).


実験室規模のスピンコートされた高電力変換効率(PCE)のペロブスカイト太陽電池(PSC)を大面積の太陽光発電モジュールに移行するには、スケーラブルな製造方法の大幅な進歩が必要です。


このような課題に対し、デジタルインクジェット印刷は、さまざまな基板上および任意の形状のペロブスカイト薄膜のスケーラブルでかつ費用効率の高い印刷を実現できる可能性が高い手段として注目を集めています。


このような背景から、同研究グループは、厚み1μmを超える非常に厚いトリプルカチオン(メチルアンモニウム、ホルムアミジニウム、およびセシウム)ペロブスカイト層をインクジェット法による作製しました。

作製された膜は、これまでにない高いPCE(> 21%)および安定した出力効率( > 18%)を実証しています。



詳細な特性評価により、ここで開発されたプロセスを使用して堆積された厚いインクジェット印刷ペロブスカイト薄膜は、厚さ全体に広がる水平結晶粒界のない柱状結晶構造を示していることが判明しました。

約1.5 µmの薄いフィルム厚が、このプロセスのPSCにおいて最適であると判断されます。

この層厚までのX線光電子分光分析により、表面で予想される化学量論的ペロブスカイト組成が確認されており、更に厚い薄膜において強い偏差と不均一性が示されています。

マイクロメートル厚のペロブスカイト薄膜は、非常に長い電荷キャリア寿命を示し、その優れた光電子特性を強調しています。

今回開発された製造プロセスは、特に次世代のインクジェット印刷ペロブスカイト太陽電池、光検出器、X線検出器に有望だと期待されます。


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