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紙に印刷して作製したグルコースセンサー

King Abdullah University of Science and TechnologyとUniversity of Cambridgeの研究グループが、紙にインクジェット印刷して作製した使い捨てグルコースセンサーを発表しました。

この研究成果は、npj Flexible Electronics (2018)に掲載されています。


この記事は下記論文の紹介記事です。

論文:

Bihar, Eloïse, et al. "A fully inkjet-printed disposable glucose sensor on paper." npj Flexible Electronics 2.1 (2018): 30.

https://www.nature.com/articles/s41528-018-0044-y



迅速な健康診断を実現するために安価で使いやすい診断ツールが求められています。特に携帯性と手頃な価格が求められる発展途上国ではこの要望は不可欠です。

代謝産物レベルの正確なモニタリングは、身体の主要な代謝活性に関する有用な情報を提供し、糖尿病などの世界的な慢性疾患によって発生する不規則性を検出することができます。

今日、グルコースを検出するモニタリングツールのほとんどが、血液を引き出すために皮膚を突き刺すことで行われています。

指を刺すことに伴う痛みや不快感があるため、このような痛みの無い携帯型グルコースアッセイを開発することが世界中で求められています。



このような課題に対し、同グループは酵素電気化学検出に基づいて人間の唾液中のグルコース濃度を測定することができる使い捨て分析装置を開発しました。

エレクトロニクスからバイオ認識要素まで、このグルコースセンサーのすべての部品を市販の紙基板上に迅速かつ低コストで作製するために、同グループはインクジェット印刷技術を使用しています。

製作後に1ヵ月保管したセンサーを用いて検証した結果、センサーはわずかな性能低下のみで機能を維持することを実証しました。


今回の研究で確認したバイオセンサーは製造が容易であり、正確さ、感度が高く、唾液などの入手が容易な生体液を用いることができます。この完全印刷可能なポリマーバイオセンサーは、次世代の低コスト、非侵襲性センサーの開発に役立つと研究グループは考えています。


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