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細胞含有バイオインクを用いたインクジェット3D造形

更新日:2019年9月9日

École Polytechnique Fédérale de Lausanneの研究グループが、細胞含有バイオインクを用いたピエゾ式インクジェット3D造形を実現したと発表しました。

この研究成果は、npj Flexible Electronics (2018)に掲載されています。


この記事は下記論文の紹介記事です。

論文:

Negro, Andrea, Thibaud Cherbuin, and Matthias P. Lutolf. "3D Inkjet Printing of Complex, Cell-Laden Hydrogel Structures." Scientific reports 8.1 (2018): 17099.


生物の組織は、細胞機能および組織特異的な細胞外マトリックス(ECM)ヒドロゲルに埋め込まれた、さまざまな種類の細胞を含む多成分の集合体であり、組織の機能に不可欠な特徴的な3Dアーキテクチャを備えています。さらに、組織は、細胞が移動し、増殖し、特殊化され、そしてそれらのECMを活発に再構築することによって細胞が自己組織化する動的な実体でもあります。


このような組織の複雑さを再現する技術として、任意の場所にオンデマンドでかつ非接触に印刷できるピエゾインクジェット技術は有望な技術として期待されています。既にディスペンサーを用いた材料押出法のような技術を用いた複数成分印刷技術は実施されていますが、低解像度です。

ピエゾインクジェット技術は、複数の材料が使用でき、塗布した量の管理が可能で、高解像度な点が他の技術と比べて優れていると考えられます。



このような背景から、同グループは複数の細胞含有バイオインクを用いて、印刷パラメータを最適化することにより、インクジェット技術による3Dパターニングを実現しました。


生細胞を含むヒドロゲルの3Dプリントにより、高解像度でかつ多成分の生構造体をもたらしました。

。私たちはこの仕事がインクジェット印刷によるより複雑な3Dティッシュモデルの生成のための基礎を提供すると信じます。


この研究は、3D多成分ヒドロゲル構造を生成するために複数の独立したインクジェットユニットを整列および同期させる可能性を実証しているといえます。

今回の研究で実現した高いパターニング解像度は、顕著な細胞適合性および犠牲層の構築技術と共に、今後の組織工学における大きな展望を開くと思われます。



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