Moscow Institute of Physics and Technologyの研究グループが、ナノ粒子アレイに対する局所レーザー焼結に関して調査しました。
この研究成果はApplied Sciences 10.1 (2020): 246に掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Khabarov, Kirill, et al. "The Influence of Laser Sintering Modes on the Conductivity and Microstructure of Silver Nanoparticle Arrays Formed by Dry Aerosol Printing." Applied Sciences 10.1 (2020): 246.
ナノ粒子アレイの局所レーザー焼結の開発に対する需要は、熱に弱い基板上への機能的微細構造形成といったプリンテッドエレクトロニクスのニーズの拡大により、ますます高まっています。
同研究グループは、集束エアロゾル流によって基板に堆積した銀ナノ粒子のアレイのレーザー焼結に関する研究を行いました。
焼結は、波長527、980、1054 nmの連続パルスレーザーによって行われました。
比抵抗、断面プロファイル面積、微細構造の特徴を測定することにより、焼結サンプルを研究しました。
波長980 nmの連続放射による焼結によって、バルクの銀導電率の半分程度の導電率が達成されました。
また、パルス放射を使用すると、サンプル表面層のナノ粒子が直接加熱され、厚さ約0.5 µmの無孔導電層とサイズ70〜80 nmの微結晶の形成がなされることを示しました。
波長527 nmの放射によるレーザー焼結には、長波レーザー放射と比較して桁違いに低いエネルギーコストによって実施できることが判明しました。
レーザー焼結の高いエネルギー効率は、プラズモン共鳴での放射線吸収の特別な条件によって説明されます。