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電解質基を持つ水溶性ポリマーのインクジェット吐出

Aalto Universityの研究グループが電解質基を持つ水溶性ポリマーのインクジェット吐出を評価しました。 本研究成果は、AIP Advances 10.5 (2020): 055309.に掲載されています。 この記事は下記論文の紹介記事です。 論文: Koivunen, Risto, Roger Bollström, and Patrick Gane. "Inkjet jettability and physical characterization of water–ethanol solutions of low molecular weight sodium polyacrylate and poly-diallyl dimethyl ammonium chloride (polyDADMAC)." AIP Advances 10.5 (2020): 055309.

高分子電解質は、電解質基を持つ水溶性ポリマーです。 高分子電解質のインクジェット用途には、粒子分散、表面改質、多層構造などがあります。 同研究グループは、低分子量ポリアクリル酸ナトリウム(NaPA)とポリ-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(polyDADMAC)高分子電解質溶液の水-エタノール混合液の物理的特性とインクジェット吐出における挙動との関係性を調査しました。 調査したNaPA濃度の範囲は1 wt%に制限されていました。これはエタノールの存在下でのNaPAの溶解度が低いことによります。 なお、これらの濃度では、溶媒へのNaPAの添加は噴射動作に大きな影響を与えませんでした。 一方で、PolyDADMACの溶解度は良好で、濃度は10 wt%まで調査され、正常に噴射されました。 高分子電解質濃度の増加はインク粘度のゆっくりとした増加をもたらしましたが、これは必要な噴射電圧または最大の安定した噴射周波数に大きな影響を与えることはありませんでした。しかし、液滴の分離とサテライトの液滴形成時間が増加することがわかりました。 polyDADMACインクの実用的な制限として、溶媒の蒸発により、吐出停止中に不吐出となります。許容される放置時間がインクのpolyDADMAC濃度が増加するにつれて急速に減少します。 この非噴射動作は、バルクインクのプロパティとは異なり、ノズルの出口での滞留時間が局所的な表面張力や粘度の増加につながるためと考えられます。 #高分子電解質 #水溶性ポリマー

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