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ピエゾ式インクジェット法による吐出過程

ピエゾ式インクジェット法は、ピエゾ素子による変形によって発生した圧力波を用いて、

数十μmの微細孔から液を射出する技術です。

ここでは、インクジェット法によって生成された液滴の特徴を紹介します。

ピエゾ式インクジェット法による吐出過程

インクジェット法で生成される液滴サイズはφ10μm~100μmです。

インクジェット法によって生成された微小液滴は空中を飛翔し、約1mm離れた対象物に着滴します。

空中を飛翔する先頭の液滴の速度は約5~10m/sです。そのため、1mm程度の距離を100~200μsのわずかな時間で飛翔します。

これらの液滴サイズ、飛翔速度はインクジェット駆動条件の設定、インクジェットヘッドの選定によって制御可能です。

高速オンデマンド制御を可能にする短い吐出周期

ピエゾ式インクジェット法は微細流路で発生した圧力波によって吐出動作を行います。

 

圧力波の発生、伝搬、液の吐出挙動、液の供給といった各動作が非常に短時間で完了するため、これらの動作を足し合わせた一連の吐出動作は1ms未満の短時間(~1,000μs)で完了します。

一連の吐出動作が短時間のため、1秒間に1000回以上(最大で100,000回/秒の制御が可能なヘッドもあります)の吐出ON/OFF制御(オンデマンド制御)が可能です。

 

これらの吐出制御はノズルの数だけ実施することができます。

仮に500ノズルのインクジェットヘッドを用いて1ノズルあたり1秒間に40,000回の液滴吐出制御が可能なインクジェットヘッドを用いた場合、1ヘッドあたり1秒間に20,000,000回の液滴吐出制御を行うことが可能となります。

 吐出過程(吐出信号入力から200μs後まで)

液滴速度 粒子速度

液滴形状、速度の再現性の高さ

インクジェット法は、液滴(粒子)を非常に再現性良く生成することが出来る手法です。

 

圧力波を発生させるピエゾ素子の変形再現性が高く、微細流路における圧力波の伝搬再現性が高いため、同じ吐出状態が再現されます。

ここでは、水を1kHzで連続して100回吐出動作を行った場合の動画を画像解析することで、再現性の実力確認をしてみたいと思います。

上記動画は吐出開始1発目から100発目までの吐出過程を高速度カメラで撮影した動画です。

 

インクジェットにおける再現性の高さは、吐出された各液滴の、①形状、②各液滴の飛翔速度、③各液滴の体積を計測し比較することで確認を行います。


 

①形状再現性

吐出信号が入力されてから同じタイミングにおける吐出状態を比較することで、形状の再現性を確認できます。

下記が1発目から100発目までの同じ吐出タイミングにおける吐出状態です。

画像からは各液滴の判別可能な優位な形状差がみられません。

 1発目~100発目の吐出状態

液滴速度 粒子速度

②各液滴の速度

吐出過程の画像を解析することで、1発目から100発目までの各液滴の飛翔速度を計測します。

各発数目において2つの液滴が生成されて飛翔するため、先頭を飛翔する液滴と後方を飛翔する液滴の飛翔速度(約1mm地点での平均飛翔速度)を計測し、発数毎に比較します。

 

[結果]

先頭を飛翔する液滴

平均値:10.00m/s

標準偏差:0.01m/s

CV値(=標準偏差/平均値):0.1%

 

後方を飛翔する液滴

平均値:3.59m/s

標準偏差:0.01m/s

CV値:0.3%

 

 

③各液滴の体積

同様に吐出過程の画像を解析することで1回の吐出過程で吐出される液滴総量(今回の動画の場合は、吐出過程で発生する2滴の液滴の体積和)を計測します。

 

[結果]

平均値:28.5pl

標準偏差:0.2pl

CV値:0.7%

※画像解析による体積値は、測定誤差が1pl程度あり、得られた吐出量計測差が測定誤差に比べて小さいため、本結果は参考値です。

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